バラ十字会

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神秘学を科学する 第1部

Scientific Mysticism Part 1

ウィリアム・ハンド

By William Hand

第4章 QとR

Q and R

 これから先、あらゆる可能性である、量子力学的な波動を表すのに記号の「Q」を、そして意識が活動することで起こる現実を表すために「R」を使用します。それでは、〈神/創造主〉についての仮説から始めることにしましょう。

 バラ十字会員は神あるいは創造主のことを「私の心の中の創造主」あるいは「私が理解する創造主」と個々に呼んでいます。多くの人が〈神/創造主〉についてのこの意見に同意することでしょう。というのも、〈神/創造主〉の実在そのものを知るのは不可能だからです。しかしながら、〈神/創造主〉とは、意識を有するエネルギーであり、万物の背後にある活動的な原因であるという概念もまた、私たちにはあります。このエネルギーが量子力学におけるQであり、Rは創造された物の全てと、存在するものの全てを支配する自然の法則の全てであるのかもしれません。そして、創造主についての私たちの知識は、宇宙と自然法則についての、私たちの限られた理解から構成されたものに過ぎません。この万物と自然法則の統一体を、〈宇宙〉(the Cosmic)と呼ぶことにしましょう。

 しかし、〈宇宙〉はすべての起こりうる現象を与えているので、〈宇宙〉もまた量子的なふるまいを示さなければなりません。〈宇宙〉の意識を有する部分が宇宙精神(Cosmic Mind)であり、それは、〈神/創造主〉の意識という属性、〈神/創造主〉の意識が実体化したものです。宇宙精神とは「可能である全ての精神」です。そして、おそらく今、私たちは以前より少しだけ明確に、アカシックレコード(Akashic record)のような用語を理解し始めることができます。宇宙精神には、ソウル(soul:魂)と根源的生命力(VLF)が含まれますが、それが人生自体のQという側面を私たちに与えてくれています。宇宙の別の働きは、振動エネルギーの伝達であり、そのエネルギーによって、心霊的な現象と、物質世界を構成する要素が成り立っています。これらにもまたQの性質があります。しかし、これらの振動がソウルとVLFをして宇宙精神の意識と接触するとき、私たちはRを得ます。それを私たちはソウル人格(あるソウルに属する)と呼んでいますが、それはたとえば、ある人の生きた姿として表現されます。

 そこで、私たちの探究は、巡り巡って、私たち自身、すなわち宇宙の中の量子的なミクロコズム(microcosm:小宇宙である人間)に戻ってきました! バラ十字会員が古い格言「汝自身を知れ」をたびたび口にするのは、うなずけることです。

量子力学的な視点

 しかし、私たちとは何者なのでしょうか? 私たちの存在の物質的な側面は、ヒトゲノム計画などの21世紀初頭の科学により、驚くほど良く理解されるようになってきました。しかし、私たち自身の他の量子力学的側面について、簡潔に見ていきたいと思います。私たちの心霊的な性質や意識などについてです。

 ※上記の文章は、バラ十字会が会員の方々に年に4回ご提供している神秘・科学・芸術に関する雑誌「バラのこころ」の記事のひとつです。バラ十字会の公式メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」の購読をこちらから登録すると、この雑誌のPDFファイルを年に4回入手することができます。