バラ十字会

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神秘学を科学する 第5部

Scientific Mysticism Part 5

ウィリアム・ハンド

By William Hand

第3章 意識の始まり

The Beginnings of Consciousness

 まず手始めに、〈意識〉の起源について、論理的に考えていきます。以前に検討した万物の基本的な構成要素である「ひも」に戻ることにしましょう。(このシリーズの第3部を参照してください。)  「ひも」が、さまざまな周波数と振幅で振動を始めたと想像してください(ここでは、ひもが多次元の存在であるということは扱わないこととし、多次元的な性質についてはこのシリーズの第6部で取り上げます)。この振動によって、物質の基本的な要素である電子、クォーク、光子などが生じます。このように多様な粒子が存在することで、相互作用が可能になり、この相互作用によって、情報とエネルギーの交換が起こります。そして、この情報とエネルギーの交換によって、炭素、酸素、水素の分子などの新しい構造が現れ始めます。  情報とエネルギーが交換されるとともに、情報とエネルギーの間には、原始的なある種の知覚が生じると言うことができます。つまり、ある種の受動的な意識である「ひもの意識」が生じたのでしょう。この原始的意識の出現は、秩序あるカオスという構造の中で、驚くべき速さで起こったことでしょう。やがて、素粒子の組み合わせから物質が形成され、次に、単細胞生物や植物などの、より複雑な構造が生まれることになります。これらの生物や植物もやはり、振動する「ひも」で構成されていて、バランスと調和を維持するために、別な物質を必要としています。たとえば植物は、日光と二酸化炭素を必要としており、情報とエネルギーの交換によって日光や二酸化炭素を知覚することにより、自体の構造の進化が促されたのでしょう。そしてこれが「単純意識」の夜明けであったと言うことができます。この頃までには、「受動的な意識」はすでに無数の種類の意識に進歩し、さらに進んだあらゆる種類の相互作用が可能になり、とてつもない規模の意識のシステムが形成されたのでしょう。そのようなシステムのひとつが人類であったと言うことができます。

 ※上記の文章は、バラ十字会が会員の方々に年に4回ご提供している神秘・科学・芸術に関する雑誌「バラのこころ」の記事のひとつです。バラ十字会の公式メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」の購読をこちらから登録すると、この雑誌のPDFファイルを年に4回入手することができます。